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急には変わらない

 私の親にあたる世代の人に今の小学生の状況を話すと驚かれる事があります。私の親世代となると今の小学生は孫世代を通り越しひ孫の世代になります。三世代を越えるとその違いを想像しきれないのか、昨今の変化が激しいのか判断がつきませんが、どうしてそんなことになるのか理解できないようです。例えば私の親世代だと学校で先生の指示を守ることが当たり前で、指示に従わないこと自体が想像の域を超えることです。その親に育てられた私の世代は親世代ほどの使命感はなくとも、とりあえず先生の言うことには従わなければならないので指示されたことに納得していなくても逆らわないようにしていたように思います。そして中学生ぐらいになると先生の指示に従わないことで自己主張する子が現れたりしましたが、不良と呼ばれ遠巻きにされていました。今思えばとんでもない命名ですがその当時は使っていい言葉でした。そして不満を隠して指示を聞いてきた私の世代が育てた子どもたちは徐々に先生の指示を疑ってかかることが当たり前になっていたのだと思います。親である私の世代が先生に対してさほどいいイメージを持っていないのですから直接言動に表さないようにしていたとしても、先生に対する不信感が子どもに反映されるのは不思議のないことだったと思います。そして先生の指示を鵜呑みにしなくてもいいと考えた私の子どもにあたる世代の子どもたちが今の小学生です。

 こうやって見ていくと変化は突然起こるのではない事がよくわかります。子どもの読書に関わってきて思うのは変化が見えなくとも続けることの重要性です。子どもたちが読書する習慣を身につけ読書に親しむことができる事が子どもたちの人生にとって必要な事だと強く思います。人生何があるかわかりませんが、どんな時もどんな人にとっても人として生きていくための助けになるのが読書だと思います。ですから何を読むかではなく読みたい時に読みたいものを読めるようにするのが子ども読書推進の要なのだと思います。私たちは子どもたちが読む力を身につけてくれるようサポートし、将来その子たちが次の子どもたちをサポートしてくれることを信じて焦らずコツコツと取り組んでいければと思います。