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学校図書館

 上田市の学校司書は異動があります。ですから上田市の学校司書として何を目的にどう仕事をするのかの共通の目標があったほうがいいと考えています。せっかく学校司書が各校に配置され継続的に仕事をする形になっているのに異動があるため方向性がバラバラだと継続していることが活かされないと思うからです。学校司書は子どもたちがどういう形で読めるようになっていくのかを感じていくことが力になります。ですから異動があることはむしろ強みで、中学校と小学校の両方経験していくことや色々な学校で仕事をすることは学校司書にとって大事な経験だと思います。ただ現状この採用形態では配置された学校図書館の改善や教員の要望に応えることという現時点の仕事内容で手一杯だと思います。

 けれど子どもたちがどう育っていくのかの見通しが立つことや中学生になった時にどうあって欲しいという目標がはっきりすると現時点で迷っていることの答えに行き着く可能性が高くなります。学校司書の仕事を増やそうというのではなく、迷いを減らすために目標が必要です。本来なら雇用主である教育委員会がその指針を示すべきだという意見もありますが、今まで示されなかったという状況を考えると雇用条件との関係もあり難しいのだと思います。

 そこで学校司書側が自分たちが上田市の子どもたちに何をもたらそうとして働くのかを提案してみるのはどうだろうと考えています。この雇用条件で実現できる最上のものを図書館を知らない行政の人にプレゼンテーションしていくことで、この行き詰まりを解消できるのではないかと考えています。今まで労働条件から交渉しそれに見合った働き方という考え方で上田市の学校司書は仕事をしてきました。そして団結することで自分たちの立場を学校司書として確立してきたという成果があります。けれどこの方法では学校図書館の可能性を知らない行政に交渉するのは限界があると感じています。現場にいる学校司書が学校図書館の可能性を一番知っていますし、子どもたちが何に困っているのかも肌で感じています。そこをアピールして仕事の優先順位をつけていければ行政も変わっていくのではないかと思うのです。上田子どもの本研究所の取り組みの一つとして考えていきたい案件です。